衒学屋さんのブログ

-Mr. Gengakuya's Web Log-

資源活用事業

「春の福を待ち兼ねる」——資源活用事業#34

植戸万典(うえとかずのり)です。待ち兼ねた春と恨めしい花粉のジレンマを抱えた一人です。花粉の時期の終わりが待ち遠しいですが、そのくらいの時期になるとそろそろ梅雨の終わりが待ち遠しくなり、またさらにその頃になると秋の涼風が待ち遠しくなるのだろ…

「龍の年にあけまして」——資源活用事業#33

植戸万典(うえとかずのり)です。桃の節句の挨拶は「おめでとう」で良いのでしょうか。能登半島地震から2か月が経ち、状況も一息ついた頃となりましょう。なので今回は年始に書いたコラムをば。 恒例なので一応書いておくと、寄稿したときは歴史的仮名遣ひで…

「大一大万大吉」——資源活用事業#32

植戸万典(うえとかずのり)です。今年は「あけましておめでとう」とはなかなか言いづらい新春となりました。こういうときこそ一致団結が大切だ、ということは言われがちですし、それそのものは否定するつもりもないのですが、こういうときの「絆」だとか「ワ…

「こだわりの怪」——資源活用事業#31、或いは自分が物書き的にこだわったりこだわらなかったりしている一つ二つ

植戸万典(うえとかずのり)です。この世には不思議なことなど何もないのだよ。人にはそれぞれこだわりがあるように、逆に不思議とそれぞれ全くこだわらないところも人にはあります。 自分自身もそれなりの年月を神社界に関わってきたなかでの反省もあるのです…

「海の日に当つて」——資源活用事業#30

植戸万典(うえとかずのり)です。8月11日は山の日です。海の日があるなら「山の日」も欲しい、でもこれ以上祝日を増やすと経済活動への影響が心配、ならばお盆休みに連動させて直前の8月12日ではどうか、それは日航機墜落事故(1985年)の日なうえに事故現場…

「マスクとはなしづめ」——資源活用事業#29

植戸万典(うえとかずのり)です。生粋の花粉症持ちとして生きてきました。この疫禍になってから花粉症患者としてちょっと良かったことのひとつが、TPOを問わずマスクを着けていても文句を言われないことです。 以前だったら、花粉が飛散する真っ只中であって…

「卯年にちなんで猫の話」——資源活用事業#28

植戸万典(うえとかずのり)です。愛猫家です。2月22日は猫の日と言われます。「222」が「ニャンニャンニャン」だからだと。 鳴き声の語呂合わせなら、「ミーミーミー」で3月33日も猫の日になるのではないかと思うのですが、そんな日は金輪際ありえないので…

「度々足袋で旅をした」――資源活用事業#27

植戸万典(うえとかずのり)です。適当を愛する者です。令和4年も年の瀬。 今年も記名無記名問わずいろいろな文章を書いてきましたし、それは昨年もそうであったように、来年も同様でしょう。人生はよく旅に例えられますが、それなら来たる令和5年はどんな旅路…

「これは邪宗門のはなし」――資源活用事業#26

植戸万典(うえとかずのり)です。恥の多い生涯を送って来ました。それは太宰だ。教科書的なイメージからか、あるいは有名な文学賞に冠されているからか、高尚な文学者と思われがちな芥川龍之介です。 “高尚な文学者の高尚な文学作品”なので敬遠されがちでもあ…

「文を好む木の実の季」――資源活用事業#25

植戸万典(うえとかずのり)です。夏(の暑さ)がだめだったりセロリが好きだったりします。雨は降るときは降るし、降らないときは降りません。 何が言いたいかというと、世の中は予想どおりになるとは限らないし、台風が近づいているからとコロッケを用意して…

「うちなーぬゆー」――資源活用事業#24

植戸万典(うえとかずのり)です。いろいろと難しいことも多いけど、なんくるないさ。6月23日は沖縄の慰霊の日。畏き辺りにおかせられては、終戦の日や広島・長崎の原爆忌と同様に忘れてはならない4つの日のひとつとされているとか。沖縄戦だけでなく、古琉球…

「べし」――資源活用事業#23

植戸万典(うえとかずのり)です。常識だと思っていたものほど不確かだったものはない、というのが今の世界に対する現代人の実感なのではないでしょうか。そんな大層な話題でなくても。 世の中には自身の狭い見識を全世界の常識のように押し付けてくる人がいて…

「市の虎は真実を食う」――資源活用事業#22

植戸万典(うえと かずのり)です。国際情勢も混迷し、さまざまな情報の飛び交っている昨今。誰の言う何が本当で、あるいは嘘なのか、朝夕のニュースを見ているだけでは真実を計り知れません。世界がこうなることなど全く見越していたわけではありませんが、今…

「ビールに関する一考察」――資源活用事業#21

植戸万典(うえと かずのり)です。またビアバーには行きづらい世相になってきて悲しみを覚えています。ビール党です。日本酒も焼酎も洋酒もいける口ですが。 とくに所謂クラフトビール派でして、個人的には、最近は一時期ほどの持て囃されではないかもですけ…

「雑草と校正」――資源活用事業#20

暑さ寒さも彼岸まで、植戸万典(うえと かずのり)です。 裏を返せばお彼岸まではなんだかんだで暑かったり寒かったりするぞという諺のとおり、今年の残暑もきっちり秋分過ぎまで居座ってくれました。この資源活用企画もなんだかんだで20回です。いつまで続く…

「非一般の神社関係者」――資源活用事業#19

植戸万典(うえと かずのり)です。6月はいろいろな締切に追われていました。 締切はクリエイターを追い詰めてくる敵ですが、締切がなければクリエイターは作品を完成させられないので、これからも彼奴とは仲良くやっていきたいと思います。五輪連休、皆様はい…

「無税・公益・楽園」――資源活用事業#18

植戸万典(うえと かずのり)です。皆既月蝕は見られましたか?今回は後半が長いのでアバンは省略。 まずはお約束事として、『神社新報』令和3年4月19日号のオピニオン欄「杜に想ふ」に寄稿したコラムを資源活用します。なんと!掲載紙面での仮名遣いは歴史的…

「虹立つ島々のJINJA」――資源活用事業#17

植戸万典(うえと かずのり)です。こんなご時世、海外はその距離以上にずっと遠く感じるようになりました。ステイホーム、巣ごもり、おうち時間――、そんな言葉が、みんなで意識してできるだけ肯定的に伝えられている昨今。海の外どころか家の外ですら遠くなっ…

「牛の絆」――資源活用事業#16

植戸万典(うえと かずのり)です。日本の干支に猫年はありませんが、毎年2月22日は猫の日。猫派の祭日であります。とはいえ、猫の日だからと何をすれば良いのかはよく知りません。 もっとも干支だって、実際ところは年始あたりに「〇〇年にちなんで…」とかを…

「こだまでしょうか」――資源活用事業#15

植戸万典(うえと かずのり)です。年の瀬も迫り、皆様は良いお年を迎えられそうでしょうか。令和2年最後の更新は、令和2年1月20日付『神社新報』の「杜に想ふ」に掲載されました「こだまでしょうか」の再録です。 例によって原文は歴史的仮名遣ひですが、ウェ…

「歴史をかたる本丸」――資源活用事業#14

植戸万典(うえと かずのり)です。新語流行語の賞候補も発表されて、やっぱり今年は新型流行病の関連がほとんどなのは当然だよね、と感じてます。 後世に2020年の歴史を語るなら、良くも悪くもコレ抜きにはできないでしょうから。「日本ではその当時最も長く…

「令和大嘗会雑考」――資源活用事業#13

植戸万典(うえと かずのり)です。一年が経つの早い、というセリフは毎年聞いているような気がしますけど、今年は特にその思いが強い気が。今年の疫禍は、神社の社頭や祭礼もだいぶ様変わりさせました。 それまで先進的な例とされていたWebによる神社の活動や…

「「空気」の子」――資源活用事業#12

植戸万典(うえと かずのり)です。空気も急に冷たくなってきました。昨今は冬物への切り替えタイミングが難しいです。 それぞれ夏がダメだったりセロリが好きだったりするのでしょうが、自分はこの時期の凜と冷えた朝の空気が妙に好みなのですけど、共感は得…

「うらやすの国」――資源活用事業#11

植戸万典(うえと かずのり)です。生きていれば何かの所為にしたいこともたくさんあるのが人生。その責任を負わせる先として、最近はコロナと、あとドルチェ&ガッバーナの香水が人気のようです。疫病だけでなく自然災害もあり、さらには不景気で、文化財の保…

「神社“を”参拝する」――資源活用事業#10

植戸万典(うえと かずのり)です。ニュースで「新しい生活様式」というワードを目にしながら、古来の風習のお中元で頂戴したビールを賞味する夏。お中元は「新しい生活様式」の仲間に入れてもらえたのでしょうか。数年前には「震災後」なんて言われて、人と人…

「雨季の花嫁花婿たちへ」――資源活用事業#09

植戸万典(うえと かずのり)です。アジサイの花言葉は「移り気」とか云われることもありますが、梅雨の季節は街並みに情緒を添える好きな花のひとつ。少しずつ梅雨前線も北上し、来週くらいには関東の方も梅雨入りしていくのでしょうか。 天皇・皇后両陛下の…

「日本書紀〇〇千三百年」――資源活用事業#08

植戸万典(うえと かずのり)です。専門は古代史でした。『日本書紀』って『古事記』と比べてなんとなく影が薄いように思うのは自分だけではないはず。どちらも同じ頃に日本史で習ったはずなんですけど。 わかりにくいんですよね、『日本書紀』って。初見だと…

「スポーツの神様」――資源活用事業#07

植戸万典(うえと かずのり)です。スポーツはあまり得意ではありません。東京オリンピック・パラリンピック競技大会も、2021年の夏に延期となりました。1年後には無事に開催できているのでしょうか。 招致の段階ではさほど乗り気ではなかったのですが、昨年の…

「校閲畏るべし」――資源活用事業#06

植戸万典(うえと かずのり)です。皆さんは何を畏れますか?このウイルス禍により、祇園祭も中止されるという報道がありました。 八坂神社さんのWebサイトの最新情報「令和2年度 祇園祭についてのおしらせ」を見ると、祭礼に関するすべてがなくなってしまう…

「「年婚」を祝う」――資源活用事業#05

植戸万典(うえと かずのり)です。愛にできることはまだあるかい?不要不急のイヴェント自粛で結婚式などの集まりもキャンセルされた方は多かろうと存じ、とても気の毒に思います。 その方々の悲しみが理解できるなどとは言えません。ただ今回は、せめてこの…